【上信越】西黒尾根から登る草紅葉の谷川岳

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2021.10.9~10に谷川岳登ってきました。1日目は一ノ倉沢ハイキングをしましたが、2日目はいよいよ谷川岳に登っていきます。使うのは日本三大急登の一つ西黒尾根。体力的にはハードでしたが、草紅葉が進む美しい稜線の景観が癒してくれました。

 

紅葉の山を目指していた時期でありました。那須岳に登ろうと思っていましたが、小屋の予約が取れなかったぁ~、残念😥 作戦変更で谷川あたりを狙うことにしましたが、西黒尾根で谷川岳に登るか、ちょっと頑張って主脈縦走をやるか、白毛門・笠ヶ岳方面に登るかで直前まで悩みました。でも結局、昔登った谷川岳をちゃんと上り返すという意味で西黒尾根から登ることに。

 

それでは、青空に映える谷川岳の稜線を歩く旅、スタートです!!

 

 

登山口へのアクセス

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                       ※参考までに、千葉駅発着の時刻と料金を掲載しました。

帰路は大変でした。。最後の方に書いてあります。

 

 

登山ルート ~西黒尾根から土樽駅へ~

谷川岳 西黒尾根→土樽駅 / mountoriさんの茂倉岳一ノ倉岳谷川岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

f:id:mountori:20220104141637p:plain登りに使った西黒尾根ですが、烏帽子岳のブナ立尾根、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根と並ぶ日本三大急登として名を馳せています。長い樹林帯の急登の後には鎖場もある岩場が続き、ヘルメットを装着している人もいます。標高差は1,100mと、やぱっり大変な登りです。下山でこの道を使用することは推奨されていないのでご注意を。

谷川岳の双耳峰を踏んだのち、一ノ倉岳、茂倉岳を経て土樽駅へ下るコースを組みました。そこまで人も多くなく、展望の良い稜線歩きが続くパノラマコースで満足度高めでした。

 

前日の一ノ倉沢ハイキングの様子はこちら

mountori.hatenablog.jp

 

 

どこが終わり?濃霧の中を進む西黒尾根

夜明け前に出発するため、4時起床です。前日に買っておいたカップヌードルを啜ってエネルギーチャージ!! 静かに土合山の家を後にしました。

 

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国道を歩いて、確認しておいた登山口に到着です。

 

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しょっぱなから急登が待ち受けています。まだ薄暗い道を無心で登っていくだけです。一向に景色が変わらないので、精神的につらい。ただ熊鈴がチャリンチャリンいっているのが耳障りです。

 

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鉄塔のところに来ました。開けているので、休憩に適しています。次第に明るくなり、かなりの霧の中にいることが分かってきました。天気予報ではちゃんと晴れることになっているので、諦めずに登っていきましょう。

 

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(たぶん)開けてきました。だんだん岩中心の道になってきます。蛇紋岩で構成されている谷川岳は、ツルツルしていてよく滑ります。雨の日とはミスマッチです。天気が良ければマチガ沢が良く見えそうですが。

 

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確か最初の鎖。

 

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その後も滑りやすい岩場歩きが続いていきます。乾徳山で経験した登り方が役に立ちました。

 

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ラクダの背という小ピークです。ヒトコブラクダのようです。

 

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リンドウの花。

 

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巌剛新道との分岐です。巌剛新道の入口には、間違っても上級者以外が立ち入らないよう、大きく注意書きとロープが張ってありました。格式高い登山道ですよね。

 

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まだまだ急な登りは続いていきます。ガスのせいで、鎖がキンキンに冷えてやがる。

 

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この辺りが一番の難所です。大きな岩の表面が雪や氷河で削られたため、つるっつるの急峻なスラブになっています。ただただ慎重に登りました。

 

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西黒尾根の核心部を攻略してさらに登っていると、、おっおっ、何か晴れてきた⁉ ちゃんとガスが取れて青空が見えるように。そして日本三大急登の終わりも見えてきました。やっぱり疲れないわけはないんだよな。

 

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そのまま谷川岳山頂に行く道もありますが、ハイペースで急登を登って来たので肩ノ小屋に立ち寄って休憩にします。まだロープウェイ客が上ってくる前の時間なので、人は少ないです。追いつかれてしまう前に、先に進んでいきましょう!

 

 

雲の上の稜線 一ノ倉岳と茂倉岳の虜になりました

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雲が取れて、遠くの山が見渡せるようになってきました。たぶん苗場山です。平たいですね。さすがはテーブルマウンテン

 

谷川岳(トマの耳)1,963mにはすんなり登ることができます。

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谷川岳の双耳峰のうち、手前にあるからトマらしいです。山頂に立ったころには頭上の雲がなくなり、見事な雲海が広がっていました。湯檜曽川を挟んで向こう側にある白毛門なんかは完全に雲の下にあるみたいなので、そっちを選んでなくてよかったと胸をなでおろしました。

 

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これから歩いて行く稜線に目をやると、オキの耳、一ノ倉岳、茂倉岳と連なっています。本格的な紅葉には1週間早いかという感じでしたが、草紅葉によって黄・赤・緑に彩られた山肌はとっても素敵でした。青空とのコントラストも相まって、いま谷川岳に登ってきてよかった~と思えた景色です。

 

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万太郎谷だと思いますが、西側の大きくそして緩やかに弧を描く谷が美しいです。

 

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ブロッケン!

 

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オキの耳へ。たしか昔谷川岳に登った時はトマの耳までしか行かなかったので、ここからは未経験ルートです。

 

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山の斜面の草が波打って生きているみたい。

 

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鞍部から見上げるオキの耳。

 

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オキの耳1,977m登頂です! トマの耳より少しだけ標高が高いので、見下ろす感じになります。

 

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そしてこの定番ショット。天を衝くトマの耳。雲頂高度があと50m低かったらよりきれいにトマの耳が浮かび上がったことでしょう。

 

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雲に隠れていた谷川岳主稜線の山々が徐々に見えてきました。その代わり、大量の雲が万太郎谷に流れ込んできます。ここはよく滝雲が発生するポイントらしいですが、この日は流石に雲の量が多すぎました。

 

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真っ赤に染まったナナカマドの実。赤すぎてまぶしい!

どこを見ても素晴らしい眺めなのでつい長居してしまいましたが、続々と人が上ってきて混雑し始めたので、行程を進めていきます。紅葉シーズンはどこも人が凄いですね。各地の山でトラブルも起きてしまったようで、何のために山に行くのか分からなくなってきます。。

 

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富士浅間神社の鳥居があります。よくこんなでかい建造物持ってきたなと感心。

 

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茂倉岳の斜面を雲が這い上がってきました。見ていると、雲の動き、草木の波打つ様子が面白いです。動画撮ればよかったと後悔しています。

 

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一ノ倉岳に続く道。この稜線を歩いていると、一ノ倉岳・茂倉岳がどうしても目に留まります。なだらかな斜面と岩崖の両方を持った山体の美しさ、青空に映える山の彩に魅了されます。谷川岳日本百名山の一峰に選ばれていますが、自分的にはこちらの二峰の方が好みかもしれません。

 

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一ノ倉岳へ向かう登山道は、岩場の下降があったりしますが、難易度は高くありません。泥でぐちゃぐちゃになっている箇所が所々にありますが、それを避けようとして登山道から外れると、そのすぐ脇は崖になっているので危険です。

 

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茂倉岳に近づいてきた。

 

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後ろを振り返ると、谷川岳の稜線が雲を捉えていました。逆光なのでわかりづらいですが、尾根の東側と西側で山の様相が全く異なっています。

 

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地図で見るとより明らかです。西側はただの斜面になっているのに対し、東側は崖表示が無数にあり、切り立った崖のようになっています。蛇紋岩や玄武岩が浸食作用に対して強いため、斜面に岩石が露出しているのです。

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すがすがしい天気にご満悦のT君。

 

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急登を登ると、一ノ倉岳の山頂までもうちょっと。

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一ノ倉岳登頂しました。ポカポカ陽気で暖かいです。山頂には収容人数3人のトタン屋根の小さな避難小屋があります。中を見ようと戸を開けてみると、物凄い湿気を含んだ熱風がもわっと出てきました。正直ここには泊まることが無いようにしたいですw。

 

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再び谷川岳を振り返る。雲多めな1日でした。

 

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黄一点。

 

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茂倉岳へ、草紅葉がひときわ美しい道を行きます。

 

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しかしだんだん雲の邪魔が多くなる。

 

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谷川岳主稜線。万太郎山仙ノ倉山などの山並みです。いつかは絶対歩きたい山。

 

肩の小屋に、「ぐんま県境稜線トレイル」というものの看板がありました。今歩いている谷川岳馬蹄形や主稜線もコースの一部になっています。

www.gunma-trail.jp

考えてみれば、群馬県境には谷川岳三国山、白砂山(野反湖)、草津志賀高原四阿山と魅力的な山々が並んでいます。非常に面白そうなトレイルです。ひたすら分水嶺を歩く長期縦走、やってみたいものです。

 

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危ない、危ない。滑り下りたくなる衝動を搔き立てるほど見ていて気持ちよい傾斜面です。

 

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振り返って、一ノ倉岳と谷川岳の2ショット。

 

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ガスに覆われてしまいましたが、茂倉岳1,978m登頂です。一応この行程の最高地点。雲がこの茂倉岳の山をせりあがってくるからか、山頂は暴風が吹いていました。めでたく(?)人生最高風速を記録!立っていられないほどの強風です。谷川岳らしい天気ですが、流石に危険なので、しっかり踏ん張りながらブッシュの陰に逃げ込みました。

茂倉岳の山頂からは、さらに谷川岳馬蹄形の武能岳・蓬ヒュッテ方面へと延びる道がありますが、今日は茂倉新道を使って土樽駅へと下ります。

 

 

越後の山を眺めながら

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ミネカエデかな?カエデの類は種類が多すぎてよく分らんです💦

 

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強風を遮ってくれる植物たちに感謝。

 

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山頂から少し下ったところにある茂倉岳避難小屋です。こちらは収容人数20人と立派な建物になっています。中をのぞかせてもらうと、コロナ対策か一人一人のスペースが板で簡易的に区切られていましたが、どこにも荷物が置かれていて満員の模様です。谷川岳周辺は山の上で泊まれる場所が限られているので、ここは人気なんでしょうか。でも本当に緊急事態が起きたらこりゃ定員越えちゃうよ。

 

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雲の下まで来た感じです。ずっと続くこの尾根を歩いて行きます。やっぱり登山していて、自分がこれから歩く道や歩いてきた所を遠くまで見通せることが、なんだかワクワクします。達成感というか、冒険心をくすぐられるのがたまらなく好きです。

 

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谷川岳からは県境を歩いてきましたが、茂倉岳より先は完全に新潟県。奥に見えるは越後の山々です。新潟初上陸かと思いましたが、富山から乗った北陸新幹線が通っていました。

 

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登山はもう後半戦、しかも西黒尾根を登ってきているというのに、景色の良さもあってか今日は下山も足が軽いです。

 

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同じような写真ばかり…

 

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緑の山の中に、ぽつぽつと紅葉している木があるのが綺麗。

 

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写真中央やや上にあるのが、川棚ノ頭というピークだった気がします。

 

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後ろを見ると、茂倉岳が雲で見え隠れ。

 

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茂倉新道を歩いていると、右前に見えるこの山がとても気になりました。漢字の「山」みたいな形をしていてカッコイイ。後から調べてみると、どうやら足拍子岳っぽいです。残念ながら一般的な登山道はないみたいで、積雪期にナイフリッジを歩くというかなり高度な技術を持ったクライマーが年に数人登っているようです。一般登山客の我らには手の届かない頂ということか。。

 

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さらに下る。

 

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手前でちょっと登らされましたが、矢場ノ頭というピークに到着です。少し開けているので、休憩に適しています。

 

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進む紅葉。

 

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こう見るとずいぶん下りてきました。

 

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土樽の町と関越自動車道が見えます。

 

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しばらく下っていると、樹林帯に吸い込まれます。ただここら辺が非常に厄介。急だし、細い尾根に木の根がうじゃうじゃ絡みついていて歩きづらいって言ったらありゃしないです。

 

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気休めに現れた、黄色いトンネル。

 

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ある程度下り切ってしまえば、後はきれいなブナ林です。

 

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登山口まで来ました。駐車場があります。土樽駅へはさらに道路を歩いて30分ほどです。

 

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土樽駅ゴール! もちろん無人駅でございます。

 

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計画より早めに下山できたのはいいものの、電車無さすぎです。。駅近くに飲食店とかは何もないので、プラプラ散歩したり自販機でコーラ買って飲んだりして次発の電車を待ちました。

 

ここで機内モードにしていた携帯を開くと、なにやら不穏なニュースが飛び込んできました。昨年10月の事なのでもうお忘れになっている方も多いと思いますが、こんな出来事がありました。

www.asahi.com

JRの変電所火災によって、帰りに使おうと思っていた交通手段が完全にオワッテしまいました。よりによってこんな日に。いろいろ別の帰り方を考えました、渋川から新宿に高速バスが出ているとか。でも結局予定通りの電車に乗っていける所まで行ってみることに。残念ですが高崎線埼玉県内で完全に止まってしまいました。一駅一駅とんでもない時間をかけながら進みますが、こんなんじゃ今日中に千葉に帰れないよ~と困っていると、高崎駅で希望が…

 

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新幹線で振り替え輸送をやってくれました。自由席の車両にしか乗ることができないので半分の時間は立ちだったと思いますが、それでも東京までぴゅーッと戻って来られました。おかげでその日中には家にも帰れました。なかなかレアな体験をしたと思います。

 

雑感

首都圏から少し北の方に行けば山の森林限界が低いので、日帰りや1泊でも気軽に稜線歩きが楽しめます。谷川岳は都心からのアクセスの良さ(車に限る?)もあって昔から多くの登山客で賑わっていたことと思いますが、その反面軽装の登山者が増えてしまうという難点があります。山の危険にアクセスの良さは関係ない。どんな山に対しても気を引き締めて向き合わないといけないですね。”魔の山”とは呼ばせないために。

話は変わって今回の山行ですが、できれば紅葉の盛りのタイミングで登りたかったという思いはあります。それでも晴れてくれればやっぱり楽しいです。僕はまだ雨や濃霧の山登りを楽しめるような玄人ではないですから、晴れてくれることに越したことはない!

また、谷川岳は何度も足を運びたくなる山域ですが、いつかは谷川岳主稜線・谷川岳馬蹄形の2つの縦走をやってみたいです。個人的には、平標山・仙ノ倉山にお花畑が広がる6月に主稜線深い紅葉に包まれる10月に馬蹄形を歩きたいです。

 

次はどの山に登ろうかな。。

 

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