【上信越】雨の一ノ倉沢ハイキングと土合山の家 -日本一のモグラ駅へ-

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2021.10.9~10に谷川岳登ってきました。厳密には谷川岳を登山したのは2日目で、1日目はゆるゆるとハイキングをしたり宿のお料理を楽しんだりしました。

 

昼過ぎに土合駅に着いたら、多くのクライマーがその岩壁に挑んできた一ノ倉沢を下から見上げるハイキングに出かけます。生憎の天気でしたが、霧越しでも分かる岩の荒々しさは神々しいものでした。

 

それでは、列車に揺られて”魔の山”へ。。

 

 

登山口へのアクセス

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                       ※参考までに、千葉駅発着の時刻と料金を掲載しました。

水上駅から先の上越線は本数が非常に少ないため、千葉からの谷川岳日帰りは現実的ではありません。普通列車でアクセスする場合、1日目は土合駅の観光だと思った方がいいでしょう。帰りは土合駅の1つ新潟側の土樽駅から電車に乗りましたが、道中いろいろあって予定通りには帰宅できませんでした。そこら辺の詳しい話は2日目の記事に書こうと思います。

 

 

登山ルート ~一ノ倉沢トレッキングコース~

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谷川岳ロープウェイの駅に行く道路をそのまま進んでいくと登山指導センターがあり、そこからマイカー乗り入れ禁止となっています。その先がトレッキングコースとなっていますが、普通の舗装路なのでスニーカーでも歩くことができます。マチガ沢と一ノ倉沢という2つの大きな谷を見て引き返してきました。ただ戻るだけでは面白くないので、マチガ沢のところから延びている新道を歩いて、湯檜曾川沿いに帰ってきました。アップダウンもあまりないので、観光としてお勧めできます。ハイキングコースに入って30分ほどで一ノ倉沢です。

 

 

廃墟感がたまらない土合駅

どうせ上越線の本数が少ないので、いつもの山登りとは違って少し遅めの出発です。そういえば今回の同行者は、テニスをやっているT君です。めでたく初登場ですが、小さいころから登山をやっていて、ブランクはあるみたいですが僕よりも経験豊富だろうという強者です。

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かなり時間はかかりましたが、水上駅まで来ました。これより先は交通系ICカードが使えないことになっています。でも駅員の方に伺ってみると、車内でも精算ができるということで、そのまま次の電車に乗り換えました。車掌さんに行き先を伝えると、そこまでの運賃を支払うことができます。

 

湯檜曽駅から深い渓谷を臨み、いよいよ秘境に来たなと感じていると、電車は長いトンネルの中に入っていきます。

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その調子でトンネル内にある土合駅に到着しました。観光地(?)というだけあってそれなりに多くの人が下りていきます。駅のホームは真っ暗です。

 

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そして出た! これがかの有名な下りホームから延びる長すぎる階段。地上の駅舎までの標高差は70m、462段の階段を上がり切って駅を出るには10~15分かかります。途中に休憩用のベンチが設置されているほどです。とんでもない駅ですね笑。これを上がれば登山前のいいウォーミングアップになります。

 

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なんか不思議な通路を通ってやっと駅舎に着きます。

改札を出ると登山届の提出用ポストがあったので、用紙に書いて提出しておきました。

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建物が無駄にでかい土合駅。残念ながら周りには何にもありません。

 

まずは土合駅の裏にある、本日のお宿になる土合山の家に立ち寄ります。

歩道が無いのでちょっと危ないです。

 

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途中踏切を渡ります。あれ?と思われた方がいるかもしれませんが、あの地下深くにあるのは新しくつくられた下りの線路で、上りの線路はもともとあった路線を使っているので地上にあります。そしてこの踏切から左手を見ると谷川岳を貫く清水トンネルの入口(現在は出口としてしか使われていない)が見えます。実はこのトンネル、川端康成の『雪国』の有名な冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の「トンネル」なんです!その「雪国」じゃない側が見えるということですね。『雪国』読んだことないですが。。

 

少し歩いて、土合山の家に到着。エントランス?玄関?のちょっとしたスペースに不必要な荷物を置かせてもらって、一ノ倉沢ハイキングに出発しました。「土合山の家」については後で書きますねー。

 

 

魔の山を霞の先に仰ぐ

雲行きが怪しいですが、国道を歩いて行きます。

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谷川岳ロープウェイの駅がある谷川岳ベースプラザです。谷川岳登山の重要な拠点になっています。なぜなら、土合周辺で飲食のできる場所がここか、駅から水上側に進むとある谷川岳ドライブイン土合駅にあるちょっとした喫茶店しかないからです。いずれも夜の営業は無いみたいですから、もうどこかに泊まるしかすべがないです。

う~ん雨がぱらついてきたので、レインウェアに折り畳み傘という装備で進んでいきます。

 

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谷川岳ロープウェイ。乗っているのはほとんどが下山してきた人でしょうか。無人のゴンドラが雲の中に吸い込まれていきます。

翌日は谷川岳登頂を目指しますが、ロープウェイは使いません。西黒尾根を攻めます。ただ谷川岳に登るのは今回が初めてではなく、幼いときに祖父母とロープウェイを使って登山しました。それが初めての本格的な登山だったので、かなり記憶にも残っています。(ロープウェイから熊の親子を見たことはかなり強烈に覚えている。)僕の登山の原点である山かもしれないですね。

 

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トレッキングコースを歩いて行くと西黒尾根の登山口があります。いきなり急だ、明日がちょっと心配。

 

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かなり雨が強くなってきてしまいましたが、一つ目の見どころであるマチガ沢に着きました。巌剛新道という難易度高めの登山道がついています。

 

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上の方は真っ白でよく分からないです。どうしようもないので先に進みましょう。

 

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さらに歩いて一ノ倉沢です。

 

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やはり上部は霧に包まれていてよく見えませんが、谷の最下部に立つとやっぱりその大きさが伝わってきます。

 

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多くのクライマーがこの壁に憧れて挑んできました。残念なことですが、その代償として命を落とした人も少なくはありません。谷川岳「遭難死者が世界一多い山」としてギネスに認定されている理由の一つには、やはり一ノ倉沢の存在があるのでしょうね。それだけ人々を魅了する魅惑の山、魔の山であることに違いはありません。自分も明日の登山に向けて気が引き締まりました。また晴れているときに訪れたいです。

 

身体も冷えてきたことですし、宿に戻りましょう。

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ここのトレッキングコースについてガイドをしてくれるバスが走っていました。歩くのが厳しい人も一ノ倉沢を楽しめます。

 

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マチガ沢のところから新道を使って戻ります。こちらはトレッキングコースとは違って未舗装の普通の登山道です。

 

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道を下りきると湯檜曽川が流れています。川に下りられそうな場所があったので行ってみました。触ってみると水温はさほど低くなく、若干ですがぬるっとしています。温泉の予感♪

 

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川沿いの道を下流に向かって歩きます。雨が降っていることもあって、だいぶじめじめしていました。

 

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美しい円弧を描く土合砂防堰堤

 

 

「土合山の家」レビュー 谷川岳登山の前泊に

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www.doai.tv

本日の宿泊地である土合山の家に戻ってきました。土合山の家は、山小屋と旅館の中間といった感じで、泊まっている人のほとんどが登山客かスキー客なんだろうと思います。

ちなみに土合周辺にはこの他、ペンションなどが数件あり泊まることができます。登山者用のテント場はなく、谷川岳の山中にもそれはありません。(そこから延びる縦走路にはあったりしますが、山小屋と避難小屋が主となっています。)

 

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土合山の家の隣にはオートキャンプ場があります。あくまでキャンプ場なのでみんなワイワイとバーベキューをしたりと、登山のベースキャンプとして使っている人はいなさそうでした。料金もお高めですしね。

 

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外装はこんな感じ。建物は古めです。廃校になった小学校のような雰囲気があります。

 

中に入るとたくさんの剥製標本が出迎えてくれます。チェックインは15時以降です。食堂のようなところで受付をし、宿泊料金を払ってしまいます。食事の有無などでいくつかの宿泊プランに分かれていますが、今回は夕食のみをつけるプランを選択しました。1泊で7,150円でした。素泊まりは3,850円、2食付きは8,800円となっています。

 

廊下を進み、部屋に通されます。山小屋とは違って全てが個室になっています。

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部屋は6畳。2人でちょうどいい広さです。BSしか映らないテレビ、タオルや歯ブラシなどの基本的なアメニティがあります。

 

お茶を淹れて飲んでいたら夕食の時間になりました。食事は2つある食堂に宿泊者が集い、一斉に摂る形式です。時間は選べなかったと思います。

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夕食は赤城牛と蟹がメインのかなり豪華なものでした。蟹は食べるのに苦戦しましたが、群馬のブランド牛らしい赤城牛はご飯のすすむ味付けでおいしかったです。ご飯とみそ汁はお代わり自由で、2人ともかなり食べました。相席になった登山者の方とも話が弾み、大満足の夕食でした。

 

その後お風呂へ。一応温泉らしく、しっかりととろみのある湯でした。しかしこの浴室がかなり狭く、最大で5人が限界でしょう。日帰り入浴の客も受け入れていて、いつも満員の状態です。すきを見て入っても、後から順番を待つ人が来るのであんまりゆっくり浸かることはできませんでした。

 

布団を敷いて寝る前に、受付のところで売っていたカップヌードルを買っておきました。翌日の早朝、これで食事を済ませて出発するつもりです。便利なことに、廊下にある流しの蛇口をひねるだけで、かなり熱いお湯が出ます。これでカップヌードルが食べられますね。

 

「土合山の家」を全体通して考えると、下界にある分、値段相応といった感じがします。ご飯は内容がいい物でしたが、お風呂や受付など、従業員が少なく手が回っていないように感じました。それでも土合周辺の様子を鑑みれば、登山前の前泊に良いロケーションだと思います。

 

次の日は西黒尾根から谷川岳を目指します。同じく宿泊されている方々にどこから谷川岳を登るのかと聞かれ、西黒尾根からですと答えると皆さん応援してくださいました。その訳の詳しい所は次の記事で明らかになるということで、本日はおやすみなさい。

 

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