【八ヶ岳】蓼科山と北八ヶ岳を巡る -Day2 蓼科山の雲の流れ、双子山の太陽の輝き-

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2021.8.29~31に蓼科山をメインとして北八ヶ岳の山々を登ってきました。

 

2日目は、日本百名山蓼科山に挑みます。そして双子池ヒュッテからアクセスのよい双子山に1日で2回も登ることになりました😅

 

神秘の山・蓼科山登頂と双子山からの朝日・夕日を狙う2日目、スタートです!!

 

 

登山ルートとmountoriのコースタイム

双子山・蓼科山・北横岳(北峰)・北横岳(南峰)・縞枯山・茶臼山 / mountoriさんの茶臼山(長野県茅野市)蓼科山縞枯山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

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2日目は、双子池からヘッデンで双子山に登り、日の出を狙います。そこから大河原峠方面に下り、蓼科山に登ります。蓼科山荘まで戻った後、天祥寺原に下り、亀甲池を経て双子池に戻ってくるルートです。蓼科山は登り下り共に急でしたが、特別危険な場所はありませんでした。高山の入門的な山としていいかもしれませんね。

 

1日目の記事はこちら。

mountori.hatenablog.jp

 

 

強風の双子山で日の出鑑賞

おはようございます。4時にヒュッテの前で同行者のE君と待ち合わせをしているので、3時半には起きて小屋の方に歩いて向かいました。

 

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E君が出てくるまで、小屋の前でいまだ空に輝く星を観ていました。しかしどんどん流れてくる雲が気がかりです。

 

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後から写真を見返すと、流れ星みたいなのも写っていました。

 

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そうこうしているとE君も出てきたので、ゲイターを付け、双子山に向けて出発です。笹に囲まれた1本道なのでまず迷うことはありません。笹についた夜露が冷たかったのには困りました。レインウェアを履いて出るべきだった😩。息を切らしながら登っていると、木の隙間から見える空が少しずつ淡い色へと移り変わっていくのがわかりました。それと同時に、ゴウゴウと音を立てて風が頭上の木を揺らしているのが心配です。

 

双子山の山頂部分は平らになっており、木が生えていません。なので日の出を見やすいというワケです。ある程度登って、林を抜けると、その瞬間猛烈な風が僕たちを襲いました。こりゃたまらん。しかもガスっていて、登山道を確認しにくくなっていました。(ロープにて誘導があります。)とにかく風が強いので、もう少し日が昇ってくるまで林間にとどまることにします。

 

空は次第に明るくなり、登山道もはっきり目視できるようになったので、林から抜け出てケルンの風下側にじっと身を寄せました。

 

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ガスが切れた一瞬を狙います。これは雲が無かったら絶対きれいだな~。

 

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そうこうしている間に、太陽が顔を出しました。

 

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新しい1日の始まりです。

それにしても双子山は恒常的に南西の風が吹いているようです。その証拠に、どの木も北東方向にしか枝が伸びていません。

 

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なぜ双子山に強い風が吹きつけるのかは、周りの地形を見てみるとわかります。山の南西側には蓼科山と横岳という2つのより高い山に囲まれた谷(滝ノ湯川の流れる沢)があります。さらにその沢の上流部に、稜線が北西‐南東方向に流れる双子山があります。これらの地理的条件によって、この辺りの山塊に当たった西風は1つの沢に集約され、壁のように立ちはだかる双子山にぶち当たるということです。さらに八ヶ岳連峰は全体として南北に山が走行していますから、それに対して直角に風が吹くということは上昇気流が強まり、雲が生じてしまいますね。なんてことを考えながら、この日のお天気を懸念していました。

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風があったので山頂の手前で日の出を見ていましたが、その後風に飛ばされないよう気を付けながら歩いて双子山の山頂に到着しました。そういえば双子山で朝ご飯にしようなんて話していましたが、流石にこの風では不可能なので、ひとまず大河原峠まで下ってしまいます。

 

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赤い屋根の大河原ヒュッテが見える。

 

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大河原ヒュッテ・大河原峠に着きました。ここはもうだいぶ風が穏やかでした。

大河原峠は蓼科山・双子山の登山に適した登山口です。もちろんここまで車で来ることができ、駐車場や水は出ないトイレがありました。

 

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そして見晴らしがいいです。北に目をやると若干の雲海と浅間山が見えました。

 

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双子山にもあったフウロソウがたくさん咲いていました。

 

ベンチに座って簡単な朝食にします。

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言葉通り、本当に簡単な朝食。お湯を沸かしてインスタントコーヒーを飲み、ミニトマトを食べました。

 

 

雲に包まれた蓼科山

それでは本日のメイン、蓼科山にとりかかっていきます。

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大河原峠からはいきなり急登が始まります。ゴロゴロと動く石のせいで歩きやすくはないです。

 

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1日目に歩いてきた森とも雰囲気が違い、苔むしたシラビソの林が美しいのですが、息が上がってどうしても目線が下がってしまいます。

 

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細かな休憩を挟み挟み登っていき、なんとなく平らなところにきました。しばらくこのような道が続いてくれます。

 

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木からニョキニョキ。

 

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途中、「縞枯れ現象」が起きている所が何か所かありました。風、降雨、日射などの自然現象が原因とされている、自然の伐採機能ですが、それもまだ仮説にすぎないそうです。年々この現象が移動していくらしく、面白いですね。

 

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佐久市最高地点というポイントがありました。ここから先は、右が立科町、左が茅野市の市町界です。

 

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赤谷の分岐。ただこちらは歩いている人がまるでいなさそうです。

 

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蓼科山荘到着です。ここで、蓼科山に最も簡単に登ることができる七合目登山口から上がってきた人たちと合流します。一気に人が多くなりました。

予定より早く来ることができましたが、空を見上げてみると真っ白です。山頂部分は雲に覆われています。天気予報を確認してみると、次第に薄くはなってきそうです。なので蓼科山荘で時間をつぶしてから山頂に登っていくことにしました。

 

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お昼前の蓼科山荘にお邪魔し、味噌ラーメンを食べました。運動中ということもあって、しょっぱめのスープがおいしいです。上に乗っている酢漬けキノコ(?)も美味でした。

 

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蓼科山荘で1時間弱時間をつぶすことに成功しました。いよいよ山頂にアタックです。

 

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山頂まではまた急な登りです。しかも大きな岩が積み重なるようにして道になっているので、それをよじ登っていく感じでした。そういえばこの山行ではストック1本を持って行きましたが、ここの上り下りだけは邪魔だったので収納しました。

 

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蓼科山荘から30分登って、残念ながら濃霧の中登頂となりました。。蓼科山の山頂部は噴火口跡ということで、岩が転がり、木が生えていません。そのため眺望も最高なはずなのですが、悔しいです。

 

この日は時間にかなり余裕があったので、広い山頂でゆっくりしていくことにしました。

 

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噴火口跡中央のへこんだところには、お社があります。ガスの中ということもあって神秘的でした。

 

この山頂、意外にも暖かかったので、岩陰に座って居眠りをしたり、ぼーっと雲が流れているのを見ていました。なんて贅沢な時間なんだ(笑)。

 

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結局1時間は山頂にいましたが、時々青空が顔をのぞかせる程度で、スカッと晴れてくれることはありませんでした。山頂横にある蓼科山頂ヒュッテで手ぬぐいを買って、蓼科山荘に下山します。

 

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下っていると、ちょっと雲が取れてきました。それでも山頂の方はまだまだ白そうでしたが。

 

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鞍部に蓼科山荘が見えます。

 

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朝通ってきたところでしょうか?縞枯れになっている所がぽつぽつと見えました。

 

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慎重に下りていきます。

 

蓼科山荘に戻ってきました。

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行動食として持ってきた無印の不揃いバウムを取り出すと、パンパンに膨らんでいました。まぁ膨らむのは当然のことなのですが、これを携行食として好んで使う人がいるのは、良い感じで膨らんでくれるので緩衝材になってボロボロにならないからかなあ、なんて思ったり。この期間限定販売らしいジャンドゥーヤ味とても美味しかったです。またバウム持って行こうっと。

 

 

浮石と笹に苦しむ天祥寺原

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大河原峠の方から登ってきましたが、ここからは天祥寺原の方へ下り、亀甲池を経て双子池に戻ります。

 

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この道はなかなかの悪路です。急な下り+大小の石が膝のHPを削っていきます。乾徳山の下りを思い出しました。

 

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途中沢の出会いに出ました。こんな風に白い大きな谷筋に何度か出ることがあるのですが、いづれもすぐに林の中の登山道に戻ります。ロープによる誘導はありますが、雨天や視界が利かないときはそのまま下って行ってしまわないよう注意が必要です。

 

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滝ノ湯川の流れる、一番下のところまで下ってきました。かなり長かった💦。振り返ると、蓼科山がド~ンです。

 

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この辺りは笹の勢いが凄くて、背の高い木があまり生えていない不思議な場所です。E君は「巨人が出てきそうだ。」と言っていました。なんだか分からなくもない。。

 

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天祥寺原に来ました。ここを右に曲がって亀甲池方面に行きます。ここを曲がらずまっすぐ行くと大河原峠です。人気のないルートなのか、夏山シーズンなのに人がいなさすぎ。

 

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亀甲池までの道も歩きやすいとは言えず。笹がとっても元気で、背丈を超える高さにまでなっているところもありました。足元が良く見えないので恐る恐る進んだ感じです。

何が🐢なのかは分かりませんが、亀甲池到着です。地図に表記されているよりだいぶ大きく感じました。1パーティーとすれ違い、久しぶりに人を見たので一安心。

 

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亀甲池の対岸には、翌日登る横岳が見えます。壁のように感じるのは僕だけでしょうか?? 最終日へ向けて気が引き締まりましたw。

 

ここから双子池までの道は、3日目の朝まだ暗いうちに反対側から歩いてくるので、よくコースを確認しながら歩いていきます。

 

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双子池までは一つ峠を越えていかねばならないのですが、これがなかなかの曲者でした。意外と標高差あるんだよなー。しかも通る人が少ないのか、荒れめです。そこで、翌朝の出発を早くし、慎重にここを通過することにしました。

 

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明日への不安を少々抱えながらも、双子池まで無事に戻ってきました。また双子山に登り、夕飯を食べながら夕陽を見ようということになったので、それまでテントでしばし休憩。1日に2度おんなじ山に登るなんて、体力ある今しかできないだろうな~。

 

 

もう秋らしい空

良い時間になったので、サブザックへ調理道具と防寒着を詰め、双子山へ出発! 2度も登っているのに、その道中の写真が1枚もないのは、それほど単調な道だからです笑。

やっぱり夕方も風が強かったので、山頂まではいかず、林がなくなるギリギリのところでストップしました。コッヘルを火にかけ、お湯を沸かしながら暮れてゆく空を観ます。夜ご飯はチキンラーメン。風が冷たくて、ラーメンが冷えるのには3分もかかりませんでした😭。

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朝は見えませんでしたが、双子池からはこんなにハッキリ蓼科山が見えたのか! 今日一日歩いてきたルートを目で追います。人間ってよく歩けるよね。

 

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「雲が出てきた」+「山に隠れて太陽が比較的高い位置で見えなくなる」で、きれいな夕焼けとはいきませんでしたが、様々な層の雲が重なって、なんだかいい感じになっていました。夏の空ではない気がする。秋はもうすぐそこ。(この記事を書いているのが11月だということを謝罪したい🙇)

 

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双子山も夕日に照らされて黄金に輝いています!!

 

雲が湧いてきてしまって、遠くには雨が降っているのも見えたので、そそくさと下山。双子池ヒュッテのご主人に温かく出迎えられまして、自分のテントに戻りました。今夜は星は見えません。

 

ではおやすみなさい。

 

つづく。。

 

 

おまけ 晩秋の蓼科山

ここからはちょっとしたおまけです。10月某日、登山ではないのですが、用事があって再び蓼科山の方を訪れました。黄葉が進み、薄っすら雪をまとった蓼科山はとってもきれいでした。

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凛としていて美しい!! さすがは諏訪富士。

 

タイムラプスも撮ってみました。

 

以上になります。長々と失礼しました。

 

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