【八ヶ岳】南八ヶ岳を縦走する -Day2 盛夏の硫黄岳、横岳、赤岳-
2020.8.2~3に南八ヶ岳を縦走してきました。
1日目はみどり池からしらびそ小屋まで歩き、静かで落ち着いた山小屋での時間を堪能しました。2日目はいよいよ南八ヶ岳の山たちを歩きます。
待ってろよ、赤岳(* ̄0 ̄)/ !!
個性豊かな峰々が織りなす南八ヶ岳、2日目のスタートです!!
「!!タッタラタッタラ、タッタ、タッタラタッタラ、タッタ、、!!」
うるさい! スマホの目覚まし時計、爆音で飛び起きました。
おはようございます。。
朝3:50です。。。
眠い。そういえばしらびそ小屋に泊まっていましたね。こんな爆音で起きられるのも、他に宿泊者がいないからでした。
なぜ3:50に起きねばならないのか、ちょっとおさらいしましょう。
- 登山口へのアクセス
- 登山ルートとmountoriのコースタイム
- 硫黄漂う本沢温泉へ
- 硫黄岳、南八ヶ岳主連山が姿を現す
- 切り立った岩稜線、横岳を通過する
- 南八ヶ岳の主峰、赤岳の頂へ
- あれっ、バスは⁉ 赤岳を駆け降りる
- 雑感
登山口へのアクセス
※参考までに千葉駅発着の電車を掲載しています。
登山ルートとmountoriのコースタイム
そう、1日で美濃戸に降りなければならないからでした。3:50に起きないと、今日中に家に帰れません。
1日目の詳しい様子はこちらをご覧ください。
あっ、長話をしていたら予定よりも10分遅い4:40ではありませんか。眠気覚ましのブラックコーヒーをしらびそ小屋さんに頂いて、ヘッドランプをつけて、楽しかったしらびそ小屋を後にします。
硫黄漂う本沢温泉へ
日の出前の登山道は暗い。開けたところでないと写真は撮れないので、サクサク進みましょう。
しらびそ小屋からそう遠くないところに、小さな水たまり。明るければもっときれいなんだろうけど。
最初のうちは整備された木道を歩くので楽です。
突然現れた沢に、クリンソウの群生地がありました。開花しているものは少なかった。見頃は7月のようです。
近くで見つけた植物。なんだこれ? 帰ってから調べたのですが、ギョリンソウという植物ですかね。半透明で、不思議な感じがしました。面白い花です。
大きな倒木。苔むしているけど、何年前に倒れたんだろうか?
森がだんだん明るくなってきました。すでに日の出の時刻は過ぎています。
赤茶色の石、硫黄のにおいがしてきたら、本沢温泉はすぐそこです。
本沢温泉につくと、久しぶりに人を見ました。しらびそ小屋からは1度も登山者に会わなかったんですね。
朝ご飯を食べずに歩いてきているので、いったん行動食でエネルギーを補給します。
周辺にたくさんハクサンシャクナゲ(?)が生えていたが、花は見つかりませんでした。
本沢温泉を出ると、ヤツは突然姿を現しました。
硫黄岳!! 南八ヶ岳縦走の最初のピークです。あそこまで登るのか~。
E君と硫黄岳。絵になるな~。少し開けているここはフォトスポットです。
荒々しい爆裂火口がよく見えます。本当に火山だったんだな~。
もう少し行くと、日本で最も標高の高い露天風呂、野天風呂があります。日本で最も標高の高い温泉(ややこしい...)、みくりが池温泉には入ったことありますが、今回は時間がないのでスルー。
G君。日が昇ってきました~!
大きな沢から、再び樹林帯に入ります。ここからが、夏沢峠まで一気に標高を上げる、本格的な登りです。頑張っていこう!!
重いシュラフが体に負荷をかけ、さすがに息が切れてきます。
硫黄岳、南八ヶ岳主連山が姿を現す
本沢温泉から樹林帯をつづら折りに登っていると、突然視界が開けました。
夏沢峠まで登ってきたようです。プチ情報ですが、八ヶ岳連峰のうち、夏沢峠より北を北八ヶ岳、南を南八ヶ岳と言います。いつか北八ヶ岳も歩きたい。
やっと朝ごはんです。フランスパンにコンビーフを乗せただけという手抜き料理ですが、、硫黄岳への登りに備えます。
夏沢峠を出発。
先ほどまでいた夏沢峠、やまびこ荘の青い屋根がよく目立ちます。このあたりで、森林限界を突破!
硫黄岳までは、このような石の道が続きます。これがなかなか歩きづらい。ほとんどが浮いてます。写真の右に写っているのは峰の松目ですかね。
硫黄岳への登り。ハイマツ帯が綺麗です。大きなケルンがいくつも並んでいます。ここが今回の山行で2番目にキツかったところです。
朝なので少しは雲海を見ることができます。ただ雲がすごい勢いで迫ってくる~。見ると、雲が夏沢峠の西側から滝のように東側へと流れ込んでいました。
天気が良ければ北アルプスが見えるはずですが、雲がかかっています。
森林限界を超えると、何度もイワヒバリに会うことができました。
北八ヶ岳の天狗岳もはっきりと捉えました。八ヶ岳連峰全山縦走とか楽しそう。
硫黄岳の爆裂火口が間近に見えてきました。
火口とその周辺では、たくさんのヒメアマツバメが飛び交っていました。すぐ近くを飛ぶこともありますが、速すぎて撮れない。
あと少し♪
そしてついに、硫黄岳登頂!! 荒々しい火口跡があるのに、平らな山頂です。
そして何と言っても、
ジャーーン!!!!
南八ヶ岳の山々が姿を現しました。中央にそびえるのが主峰・赤岳です。この雄大さは写真では伝わらない。
赤岳アップ。
硫黄岳山頂と同じポーズになってしまったww。
定番の(?)写真撮影を済ませ、横岳に向かおうじゃないか。
画質は悪いですが、ヒメコゴメグサです。
ヘリコプターが頻繁に硫黄岳山荘を往復していました。
高山植物の女王、コマクサ。硫黄岳山荘の周辺に群生していました。貴重な場所です。
切り立った岩稜線、横岳を通過する
これが硫黄岳山荘から見た横岳方面です。なんだか丘みたいと思っても、それは大間違い。この先には、この山行で最も危険な横岳が待っています。
硫黄岳から横岳の間は、標高差こそないものの、小さくて尖っているピークがいくつもあり、そこを通過するのはある程度の危険を伴います。
縦走路から見える、大同心。見事に尖がっています。ここをクライミングする人がいるそうです。
このあたりから雲が僕たちを覆い、とれてくれることはなかった・・・
真っ白なので、高度感がないのはよかったのですが。。
そしてこの先、なかなかハードな鎖場と梯子が続いていくのですが、安全のため首から下げていたカメラをザックにしまいました。鎖場の様子を写真でお伝え出来ないのは残念です。ネットで調べるとたくさん画像は出てきます。
鎖場がひと段落してザックからカメラを出していたその時、
ホシガラスが目の前に留まった~~!!! やはり美しい。カラスの仲間(ハシブト・ボソガラスと同じカラス科に属する)とは思えません。その日はホシガラスのTシャツを着ていたこともあって、かなり興奮しました。
いろいろありながらも、多くの鎖場をこなして、ギザギザのおよそ中間地点、横岳に到着しました。奥ノ院というピークが横岳の山頂になっています。平らな硫黄岳山頂とは対照的です。
背景は真っ白。。。_| ̄|○
そして横岳で横になる。これはRed sugar氏がやっていたのでまねさせていただきました。
またしばらく、緊張の鎖場が続きます。
南八ヶ岳の主峰、赤岳の頂へ
なにしろ写真がないのでサーッと赤岳天望荘まで来ましたが、実際にはここでかなりの体力を消耗しています。
赤岳の急登に備え、再び行動食を摂取します。
正面でとらえたヘリコプター。
雲がとれない赤岳に、最後の登りです。
ここもかなり急な登りなので、カメラをしまいました。
いや、急な登りってほどじゃないかもな~。ほぼ壁!でしたww。そして石がぐらぐら浮いている。
とにかく急。四つん這いになりながら、体を山に張り付かせながら登っていくことしかできません。特に腕が疲れました。クライミングの技術が全くないからですね。
まぁ疲れた。やっとの思いで登り切った先に赤岳頂上山荘があります。赤岳の山頂標識が立っているところから20mほどです。前が少し開けているので、ここで昼食をとることにしました。
お湯を沸かして、
出来上がったのは、、
カップヌードル! 朝食に引き続き手抜きですが、山で食べるカップヌードルはやっぱり旨い! 次回以降の山行ではもう少し料理を頑張りたいです。
八ヶ岳で一番多く目にしたチシマギキョウ。咲き終わりの花が多かったのですが、比較的綺麗なのが咲いていました。
赤岳頂上荘から見た頂上。岩が赤い。
いざ赤岳の頂へ。
あそこからは5分もかからずに登頂。八ヶ岳を制覇しました!!! ちなみに日本百名山は4座目です。それにしてもガッスガス。。また来たい!
赤岳山頂でも近くにイワヒバリがいました。
あれっ、バスは⁉ 赤岳を駆け降りる
時間がそんなにあるわけではないので、写真を撮ったらすごいスピードで下ります。僕達は下りが得意なタイプです。
赤岳から下る最初の方は、鎖場の連なる急な道です。こちら側から登るのも大変でしょう。ここの写真も申し訳ないですがありません。
阿弥陀岳・中岳の分岐から行者小屋までは長い階段が続きます。その階段にマムートのおしゃれなロゴが入っています。ここをマムートの事業で整備したらしいです。マンモスが応援してくれます。
文三郎道から見た赤岳。西側はすごいごつごつしていることが分かりますね。
阿弥陀岳(右)と中岳(左)の雲が取れてきました。いつかは行きたいけれど、今の技術では無理です。
ここでハクサンシャクナゲの花を発見! 綺麗に見えて毒があるそうです。
森林限界も切りました。再び樹林帯です。行者小屋はすぐそこ。
赤岳から500m以上、標高を一気に下げてきました。行者小屋に到着です。閉まっていましたが、前に広い広場とベンチがあるので多くの登山者が休憩していました。
ここで時計を確認。ん?予定より10分ぐらい遅れてない?
この10分は朝出発の遅れた10分だ~~!!
これは急がないと今日中に家に帰れません!急げ!
美濃戸までは南沢と言って、こんな川沿いを緩やかに下っていきます。
1日目の北八ヶ岳と同じように、南沢も苔むした美しい森です。赤い登山道と緑の苔とのコントラストが素晴らしい。
☝本当はこんな写真撮ってる時間ないんですけどねw。
それにしても苔すごいな。
何度かこういった広い河原(?)に出て歩きます。
苔がエモい。。
小休憩。八ヶ岳の森の凄さに浸っています。
何度もこのような橋を渡りました。渡渉しなくてよいので、ありがたいです。
小さな滝もいくつか目にしました。
水がきれいです。やはりきれいな水が苔や木々を育み、森を作っているのですね。
タイムアタックかっていうぐらい速いスピードで歩いてきましたが、予定より遅れること15分、美濃戸に到着しました。
ここで登山終了とはいきません。この場所で登山を終われるのは自家用車で来た人だけ。
公共交通機関登山者は、この長い長い砂利道を下らないといけません。これがしんどい。風景は変わらないし、足は痛いし、アブには追いかけられるし。。
砂利道で頑張ったので、予定より早い時間に美濃戸口に到着。本当に良かった。
だがしかし!ここでは終われない! 本当はここにバス停があって、公共交通機関登山者はバスで茅野駅に向かうことができます。しかしバスがあるのは休日だけ。この日は平日なのでありません。
どういう計画だったかというと、この場所から30分ほど歩いたところに、原村循環線なる路線バスのバス停があって、そこからバスに乗ります。こんな計画で登っている登山者は聞いたことがありません。自分でも、よくこんなバス見つけたな~と思います。
というわけでコカ・コーラを自販機で購入しカロリーを摂取、次は舗装路をとぼとぼと歩きます。
へとへとになりながらも、なんとか三井の森バス停に時間通りたどり着いたのでした。👏👏👏
その原村循環バスというのは、結構離れたすずらんの里駅までで300円!!安すぎ。地元住民の方のためのバスを使わせていただきました。
夕食を食べるため、駅から1つ手前のペチカバス停で降ります。せっかく長野県に来たので蕎麦が食べたかったのですが、近くの2軒の蕎麦屋はどちらとも営業時間外でした。なので、バス停の名前にもなっているペチカという洋食屋で夕食にしました。
久しぶりのまともな食事ということもあってか、このラビオリミートソースグラタンが旨い旨い。最高でした。
G君が頼んだエビドリアも溢れててwおいしそうでした。
お腹を満たした後は、ペチカから20分程かけて歩き、すずらんの里駅に向かいました。もう歩きすぎです。
そしてかわいい無人駅、すずらんの里駅に到着しました。松本方面のホームではたくさんの人が電車を待っていて、少し驚きました。
電車が来ました。小淵沢方面は人が少ない様子。
帰るまでが登山です。そう、ここから5時間かけて千葉に戻らねば。。
帰りの電車での会話は、眠くてよく覚えていません。しかし無事家に帰還、久しぶりのお風呂に入って日をまたいでから寝たことは覚えています。
雑感
今回南八ヶ岳の主峰を縦走したわけですが、飽きることのない山だったと感じています。
樹林帯の苔が作る景観はとても美しく、稜線の峰々は非常にバラエティーに富んでいます。終始楽しい山行でした。
そして八ヶ岳という山は、山小屋と登山道が多く、様々なルートのとり方ができます。そのため初心者にもお勧めです。誰かのルートをまねるのではなく、自分の歩きたい峰、見たい景色、泊まりたい山小屋と技術・体力を照らし合わせながらコースを制定すると、大変面白い山行になるのではないでしょうか。
次はどの山に登ろうかな。。
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